2017年9月13日水曜日

グルテン生活

山歩きの仲間とピーツに集まっておしゃべりしている時、油壺にある『エデンの園』という老人ホームの話になった。アメリカに住んでいても70歳を超える頃には『日本に帰りたい』と思い始める人が多いらしい。

アメリカの老人ホームではやはり美味しい食事が望めない。山歩き仲間の一人Mさんが『親にも最後まで美味しいものを食べさせてあげたいですね。』と言った途端に、涙がじわっと浮かんだ。これはいつまでたっても私の心の中の痛点らしい。父のホームの食べ物が美味しくなかったことが、本当にかわいそうだったと私が言うと、Mさんに『それはお父さまがそうおっしゃったんですか。』と聞かれる。それには答えることができなかった。もう痛点を過ぎて心がズキズキし、隠れて涙を拭くのが精一杯だった。

父は決してそれを私にも姉にも言わなかった。何度も書いたが、それを私や姉に言うことで自分のためにお金を使わせてはいけない、と思っていたのがよくわかる。アマゾンで注文したレトルトの介護食の方をずっと美味しい美味しいと食べるので、それをホームのスタッフに預けてはいた。が、忙しいスタッフが父のために特別な食事を毎日用意するわけにはいかない。ホームの食事のメニューは悪くはなかった。ただ、味がなかった。毎日食事を運んで介助することができたなら、もっと美味しいものを食べさせてあげられただろう。でもそれは無理だった。いや、私が日本にいる時なら無理ではなかっただろうが、しなかった。

父の最後のおせち料理だけは料亭から注文されたもので
美味しかったらしい

今度私が日本に行った時には、粗食の毎日にしてみようか。そうすれば少しは罪悪感が薄まるのだろうか。

いや、それではせっかくの日本が楽しくない。一日一食は美味しいものを追求してもいいだろうか、などとすぐ考え始めたりする。今の自分の楽しみは、京都や東京で街を歩き美味しいランチを食べるためにフラッとレストランに入り、リーズナブルな値段で食事をすることなのだから。

いやいや、だからこの数年血液検査の結果が悪いのだ。悪玉コレステロール値なんて高値安定してしまっている。特にこのところ以前よりもっとパンが好きになってしまい、そればかり食べている。グルテンまみれだ。

サンフランシスコのNeighbor Bakehouse

パリス・バゲットのセサミタピオカパン

ピーツでのカプチーノと甘いパンの間食という悪癖も復活してしまった

父への気持ちの整理のためにも食生活を変えよう。

自分の腹・尻を見て思う。まるでヒロと同じだ。

あっという間に育つ

2017年9月6日水曜日

孫はかわいいのか

友人たちから次々と同じ質問をされる。メールやテキストメッセージでも同じことを聞かれる。

『で?実際孫ができてどう?猫よりかわいい?』

そりゃ孫の方が猫よりかわいいという人も、孫より猫の方がかわいいという人もいるだろう。私も自分が飼っている猫じゃないとはいえ、やっぱりしょっちゅう会っている猫はかわいくて仕方ない。死んだ時のことを考えるとかなりペットロスになりそうだ。

とはいえ、いずれは孫の方がかわいくはなるのだと思う。今の時点ではどちらもかわいい存在なのだが、より大事なのは孫の方だと言えるだろう。

最近タイタンはいつもこのテントの中で寝ている

孫の存在というのは不思議なものだと思う。かわいいかと聞かれればかわいいが、やはり自分の子供にはかなわない。それは孫がいくつになっても同じらしい。孫は自分の子供が愛する存在だから、自分にとってもとても大事だ。だから自分の子供が慈しむ孫は自分にとっても愛する存在になり、その愛は少しずつ深まっていくのだと思う。

3連休にまた来た長男とサキ

孫が病気になったり何かとんでもない出来事に巻き込まれたりしたら、親である自分の子供が苦しむ。だから、病気になったり事件に巻き込まれたりしてほしくない。何も問題なくすくすく育ち元気でやってるよ、と聞けばそれでいい。責任は子供夫婦が持って育てる。私は時々会ってかわいがってあげればそれでいい、と今の時点ではこんな感じ。

まだ起きている時間がほとんどないヒロ

それはなんというか『XXは元気で留守がいい』という存在というか。

亭主とはかなりニュアンスが違うが

2017年9月3日日曜日

Boundaries(親子の境界線)4/4

暑い。サンノゼの今日の最高気温は42度。湿度が低いので日本の暑さとは質が違うが、それでもうだる。今週末は3連休で金曜日も休んで4連休にした夫と35度のサンフランシスコ(記録的な暑さ)に週末だけ避難してきた。

サンノゼの家の近所を散歩していたら七面鳥に遭遇
秋になるとよく見かけるようになる

次男が少しムッとしている。なんと今朝ヒロのオムツを替えている時、ヒロのお腹にノミを発見した、ということ。次男自身数カ所噛まれてあちこちが痒いらしい。日本で買ってきたキンカンをつけてその場しのぎをしているが、解決策になるわけではない。

猫たちの体にノミはいなくなったが、完全にノミを全滅させるためには卵も退治しないといけない。卵から孵化しないように、床にあるかもしれない卵を毎日掃除するのをサボってはいけない。家具を動かし家中掃除機をかけてモップで拭く。その上夜中の授乳と家事を担当して疲れているのだろう。が、彼らは育休/産休中で毎日が日曜日なのだ。このノミ騒動がなければそろそろ育児にも慣れてきて、ヒロを楽しむだけの毎日になってきていたことだろう。

私もマリーが搾乳した母乳を哺乳瓶で飲ませてみた

マリー母から10月まで休暇を取って、週5日次男とマリーのマンションに泊まり込みヒロの世話をする、という申し出があったということだ。が、二人は相談して末断った。以下がその理由。

マリー母は孫をかわいがることで自分自身の問題から逃避しようとしている。それはやめてほしい。幸福感を得るために孫の存在に依存するのではなく、自分自身で解決してほしい。それはヒロにとっても良くないことだし、マリーにとっても重荷であり次男との関係にも影響を及ぼす。まず問題を解決して自分自身を幸福にすることができてから、ヒロと接してほしい。

生後2時間のヒロを抱くマリー母

だから『今は週1のペースの訪問にしてくれ。』と母に言ったらしい。厳しい。アメリカ人だなあ、と思った。

マリー母は知的でいい人だとは思う。まだまだ綺麗な50代で、喋り方も知的な上癒される声の持ち主だ。が、マリーは常々『母にはBoundaryがないの。つまり(親子の)境界線というものがない。自分が一番で、自分がしたいことをいつでもどこでもする。』と言っていた(最近私もそれは感じ始めていた)。だから毎週長期で家に滞在されるのは苦痛でしかないらしい。

そして、私には今までのように来てほしい、正直私のヘルプは本当に助かるから、とも言う。まあ、私は今までのようにサンフランシスコとサンノゼを往復しながらの生活はいいのだが、やはり自分の家にいる方がずっと落ち着く。友人たちも皆サンノゼにいる。


葡萄棚も手入れしていないので、極小の甘い葡萄が鳥につつかれていた

サンフランシスコのマンションは家族(私、夫、長男)が使えるように、という条件で毎月のローンの支払いを私たちと次男たちで半々で払っている。次男が結婚する前の取り決めだ。でも、だからと言って自分の家という感覚はない。マリーだって今は私の手伝いが嬉しいだろうが、やはり次男とヒロと3人だけで住みたいのは当然だ。私に気を使ってほしくないし、私も気を使うのは疲れる。これから大幅に訪問回数を減らして行きたいと思っているところだ。それこそ私のBoundaryつまり境界線だ。


もう育児は次男とマリー二人で大丈夫だろう

そんなことを話し合いながら、私は幸福なのだろうか、と考えた。わからない。目的も趣味もなく生きている。自分の内から幸福を得る努力をしない限り、本当の幸福は訪れないらしい。

ではどうすればいいのだろうか。何か(誰か)から幸福感を得るだけではダメ?

何か

2017年9月2日土曜日

Boundaries(親子の境界線)3/4

姉が和室の天袋に両親の洋服を見つけた、洋服が入っていたケースはゴミの日に捨てたというメールを送って来た。母の洋服は捨てられなかった、と書いてある。父の洋服は捨てたのだろうか、当然捨てるしかないのはわかるけど、それも悲しいなあ、などと複雑な気持ちになってしまった。

父の洋服はいつも近所の大型スーパーで
調達していた
今でもこの売り場の横を通るのがつらい

友人のSさんが言う。「私の父に対する気持ちは小学生の作文で原稿用紙半分ですむようなもの。『私のお父さんはとてもいい人です。だからお父さんのことが大好きです。お父さんが死んでしまったら悲しいです。』というような。母に対する気持ちは20枚にはなるわね。複雑な気持ちが絡み合っていて、とてもとても簡単に書けるものではないのよ。」だそう。

持つべきものは賢い友人だ。私が夫の発言に怒り狂っていた時、それは夫に(私の悩みを)受け入れる引き出しがないからよ、と言ったこの友人は、私の表現できないモヤモヤを毎回適切な言葉で表現してくれる。

う〜む、それだ。父にも母にも愛情があるのだが、母への愛情は単純だ。父への思いとは違う性質のものだ。懐かしいのだが、怒りや腹立ちがなかっただけクリーンな思い出だ。だから、明るい光と共に思い出し懐かしみ、その思い出は時間と共に遠くなっていく。

父に対しては違う。子供への愛情は深いが依存心が強かった父には、私や姉に対する境界線というものがなかった。私はそんな父にいつもイライラさせられていた。なんで社会性にこんなにも欠けていて私や姉が後始末をする羽目に陥ることになるのだ、なんでヘルパーさんを受け入れないのだ、なんで言いたい放題なんだ、なんで自分の心配事を私にぶつけるのだ、ともう父からのストレスで憤死しそうになることが毎日のようにあった。

去年の元旦、おいしいおせち料理を食べた後、
父は部屋で上機嫌に東京音頭を歌った
この日こそもっと長い時間を一緒に過ごしてあげるべきだった

それでも父が死んだら、と思うとそれだけで涙があふれる毎日だった。母への愛情と比べると、なんというかクリーンな愛とドロドロの愛の違い、のようなもの?あの時自分の怒りが抑えられなくてホームの父の部屋を出て行った、あの時父に厳しい言葉を投げつけた、あの時、あの時、と延々と後悔と共に思い出す。全ては父が私に対して境界線をひいて接することができなかったからだ。だからその時その時の私を不幸な気持ちにさせたのだろう。

父のことを思い出すたびに、自分も息子たちに対してちゃんと境界線を持って接することができないといけない、と思う。それはむずかしいが人生の最後の成長段階なのかもしれない。子離れできない状態と、誰かへの依存心が強い状態は似ているのだろうか。

ちなみに猫に対する愛はただただ与えればいいものだから、クリーンでシンプル。ノミ問題が完全に解決するまで、アイドルとタイタンは次男とマリーの寝室に入れない。2匹は私がサンノゼの家で預かる、と提案したのだが、それでは猫たちがかわいそう、と二人ががそれは拒否した。夜二人が寝室のドアを閉めてしまったあと、猫たちは途方に暮れている。なんで?と思っているのだろう。

これは親の深い愛ゆえの境界線

2017年9月1日金曜日

Boundaries(親子の境界線)2/4

このブログを読んでくれている兵庫県在住Nさんからメッセージをいただいた。私と同じ頃子育てをしていたNさんによると、日本では当時紙おむつは高価なもので、お出かけの時ぐらいしか使えなかった、肌に優しい布オムツだと赤ちゃんが濡れて不快感を感じてオムツ離れが早くなるとか、紙おむつだとそれがないからさぁどうする、というような布オムツ信仰があった。だから、皆布オムツで必死に頑張っていた。あんなときこそ母体のいたわりを考えて、精神的にやられないように手を抜くべきだったのに、と今だからわかる。義理母は口を控えてちょうどかな、とNさん自身色々と思い出したということだ。


実家に帰ると姉が長男をおもちゃにして遊んでいた
亡くなった母の手編みのカーディガンを着ている

お乳の足りている赤ちゃんはよく眠る、Nさんの場合お乳が出ないから夜中にずっと赤ちゃんを抱いて、お乳をくわえさせたまま過ごしたことを思い出しました、とのこと。今でも気持ちの中でヒリヒリするものが残っているのだそうだ。

実は私もだ。昨日長男が赤ちゃんだった頃の体つきを見たくなったので、古いアルバムを引っ張り出したのだ。見るんじゃなかった。涙が止まらなくなってしまったではないか。痩せた長男を私はいつも枕の上に置いてあやしていたのだ。いつも泣いていた長男を思い出し、決して満足できなかったのだろうなとヒロの姿と比べて悲しくなる。今でも姑の『お乳が足りないんじゃないの?』と言う声が反響してくる。だから、私はマリーには自分から『アドバイス』は決してしないと決めている。ええええええ〜、マジ?というような赤ん坊への対応があったとしても、絶対に口を挟んではいけない、と肝に銘じている。ここは嫁姑の境界線なのであろう。

昨日次男にヒロの新しい写真ある?と聞いたら
寝てばかりだから最近あまり撮ってないということだった

私の姑は決して悪い人ではない。浅はかな物言いをする人だが、結婚7年目に夫を亡くしたあと3つの仕事をしながら4人の子供を育てた立派な人だと思う。境界線を超える発言は多々あった。しかし、それに関しても一度謝ってくれたことがある。私が姑からの電話を避けて出なかったあとのことだ。今は仲良くしている。

先週次男とマリーがマリー実家に帰っていた時、長男が野球を見に来た。2枚のチケットが手に入り、サキは野球に興味がない、ということで私が一緒に行ったのだ。二人だけの野球観戦。

久しぶりに二人で色々と話せた

その時も野菜のない長男の夕食に気を揉む。球場なんだから仕方ないではないか。

ビーフブリスケットサンドイッチ($10.50)

長男が赤ちゃんの時いつもお腹がすいていたかもしれない、と今私が思い出して泣く必要はないのだ。糖尿病ボーダーラインと言われているほど太り始めたのだ。大人になった長男の将来を心配して口を挟むのはバカげている。私が『ちょっと太り過ぎ。間食を少し減らしたら?』という発言をしてはいけない。それは親子の境界線を超えている。

うむ、というような返事はする長男。心の中ではうるさいなあ、と思っているだろう。子供の身体は自分のよりも大事なのだ、という親心を長男はまだ知らない。一人目で多分無駄に厳しく育ててしまった母の後悔と、言葉少ない長男を今でもかわいくて仕方ないと思う母の気持ちも知らないだろう。

自分の家に帰って行く長男の車のテールランプを見ながら
涙するおバカな母の気持ちも

2017年8月31日木曜日

Boundaries(親子の境界線)1/4

みなさん、この写真を見て何を思い浮かべますか?

授乳直後のヒロ

そう、飲んで食って満足した〜状態のオヤジですね。

マリーと次男は毎週月曜日にlactation つまり哺乳のコンサルテーションに通っている。今週の月曜日(生後10日)のコンサルテーションで、マリーの母乳は双子を育てられるほど出ていると言われたらしい。ヒロの体重は1週間前に比べて400g増えていたそうだ。これからは搾乳しておいて次男が夜中と日中の何度かの授乳を担当できる、と張り切っている。 

それを聞いて私は長男が赤ちゃんの時のことを思い出し悲しくなった。小さく生まれた長男(2600g)はいつも泣いていた。最初に手伝いに来てくれた姑が、「お乳が出てないんでしょう。かわいそうに。粉ミルクを足しなさい。」と横で言い続けるのがつらくて仕方なかった。

勿論姑に悪気はないのだろうし、孫がかわいいからの発言だったとは思う。が、オムツも紙おむつなんて言語道断であり、布おむつを使いなさいと言われ反論する余地はなかった。布おむつは濡れるとすぐ替えないといけないし、おむつカバーもしょっちゅう洗わないといけない。初めての育児はこの『お乳は出てるの?』攻撃と布おむつで格段に大変になってしまった。

転職したばかりで疲れている夫に悪いし、と
育児はかなりの部分を一人でがんばったと思う

方や私の母は長男が生まれた翌日退院してきた私に電話をかけてきて、「今日から毎日電話するわね。いいわね〜、赤ちゃんって全部が新品でかわいいでしょ?ばばと違って。」とコロコロ笑うだけだった。不安神経症の父はこちらにストレスを与える発言ばかりするが、母は生来のポジティブ思考と明るい性格のおかげで、あそこまでの障害を乗り越えて生きてきたのだ。母乳が足りないのではないか、という心配はしない。


里帰りした時(1986年)の写真、長男を抱いているのは姉
この頃は毎年1ヶ月前後実家に滞在していた(この年だけは2回帰国)

今回ヒロが生まれたあと、親子の間での境界線について考えることが多かった。親子の間でも境界線はあり、そこを超えてはいけないのだ。そのことを少しずつ書いていきたい。


猫との境界線も考えてね

2017年8月29日火曜日

やっと帰宅

サンノゼに帰ってきてホッとしている。猛暑だが19日ぶりに帰宅できて、嬉しくて仕方ない。

サンフランシスコでは気の休まる時が少なかった。なぜならノミの問題だけでなく、猫2匹がヒロの寝ているベッドに飛び上がったりしないだろうか、と猫に関することで気になることが多かった。息子たちから離れて心配事からも離れたい。

アイドルは遠巻きに見るだけで、ほとんど無視
タイタンは近づいて観察していることが多い

その上滞在最終日には長男とサキが来たので、張り切ってお寿司パーティまでしたものだから、エネルギーを使い果たしてしまったようだ。

バークレーの近くにあるTokyo Fish Marketで買ったお刺身と
70個握った寿司飯でお寿司パーティ
少量のうに、いくら、いかそうめん、そしてかんぱち、はまち、サーモン、本まぐろ、まぐろ
と買って$75(6人で食べて余るぐらいだった)

鉄火巻きを作る長男
そして間食ばかりしている長男の四角い顔も気になる。大学生の時は痩せすぎていて悩んでいた長男だが、去年の10月に糖尿病ボーダーラインと言われ、もうすぐまた血液検査をするらしい。細い顔が去年は長方形になっていたが、今は正方形になって首筋から背中にかけて脂肪がついている。

臨月には46ポンド増えたいたマリーの体重は
産後10日で30ポンド近く減ったそうだが

31歳、もうすぐ中年に差し掛かる長男にはちゃんと健康に気をつけてほしい。などと子離れできない私には、息子たちから離れていることでしか心の平穏は訪れない。

アイドルとタイタンは仲良く一緒に寝ていることが多い

猫たちもあまりにかわいくて猫離れ(?)できない。タイタンはおっちょこちょいの性格がかわいくて仕方ない。

ティーンエイジャーになったばかりのタイタン

アイドルは無愛想だが時々私にも心を許してくれるのがかわいい。アイドルもそろそろ30代中盤。立派な中年だ。


ほら、首筋から背中にかけてが太い

2017年8月25日金曜日

『初めまして』の瞬間

ノミはどうにか駆除できそうだ。AdvantageをやめてCheristinに変えたら、なかなか強力らしく瀕死のノミがアイドルの首に数匹見つかった。今朝は業者が来て床をスプレーしてくれる。人間には影響がないそうで、スプレー後4時間は避難する必要があり、人間も猫も部屋に入れない。が、そのあとは床を拭く必要もないとか。掃除機だけを毎日かけてください、と言われる。

マリーとヒロはマリーの実家に避難している。次男が業者と準備している間に猫たちの準備をする。猫たちは最初サンノゼの私の家に避難させるつもりだったが、たった4時間だから移動は中止。次男と私が交代で 車の中で猫と一緒に過ごすことにした。

日曜日からマリー、次男、ヒロはマリー実家に避難している

次男が車の中で音楽を聞きながら猫と過ごす。私は途中一度交代。次男が15分ほど歩いてストレッチしてくる。こんな時他の人はどこかに猫を預けるのだろうか。猫は預けられることにストレスを感じるから、飼い主と一緒にいるのが一番いいのだろうが、犬と違ってリードをつけて公園に座っているわけにもいかない。

車の後部座席を倒して広くしたが、二匹ともトランク部分に隠れたまま

車の中で次男がヒロの写真を見ている。私も初めて見た写真ばかりだ。出産直後のマリーの写真を見て感動した。生まれた直後の、血がついている状態の赤ちゃんをすぐ母親とスキンシップさせるらしい。その最初の瞬間がとても大事なのだとか。

マリーが母になった瞬間

40週お腹の中にいた自分の子供に会える瞬間。この瞬間のことを私は忘れてしまった。が、この写真を見て何よりも尊い人間の出会いは、母と子が最初に会う瞬間なんだなあと改めて思う。

なのにその5日後はこれ
明日から保育園行きます!みたいな・・・

2017年8月22日火曜日

産後鬱 2/2

昨日(8月20日)の夕方、私の頭の上に天が落ちてきた。

息もできないほどの圧迫感だった。

マリーの出産が8月17日、18日に退院。ヒロはお腹がすいている時とおむつの交換が必要な時しか泣かない。なかなか育てやすそうな赤ちゃんだ。とはいえ、まだ生まれたばかりなのだから、これからどんどん変化していくだろう。

なのに、あまりに静かに座っているヒロを見て、次男とマリーは『もしかしてなんらかの疾患があるんだろうか。』と心配している。もうその心配のレベルは尋常ではないのだ。その様子を見ていると私にこれから心配事が増えるのか、と暗い気分になる。なぜならば自分の子供の不安や心配は自分を苦しめることがわかっているからだ。あまり関わっていない子供のことならいいが、今の私は近所に住む息子たちの生活にどっぷり関わってしまっている。

長男とサキが日曜日にまたやって来た。大学時代までガリガリに痩せていた長男は、このところものすごく食べ始めて人相が変わるほど太った。31歳なのでそろそろ体質が変わってきたのだろう。血糖値が高くて糖尿病ボーダーラインと診断されたそうだ。なのに見ていると日中なんども間食をしている。

長男、サキ、次男、マリー、ヒロ、私と夫でランチとカフェに出かける

ヒロを抱いてソファに横たわる長男の出っ腹がTシャツの裾からはみ出ている。そのお腹がかゆい、ノミに2箇所刺されたと言う。アイドルとタイタンはAdvantageという薬を毎月つけているが、このところノミが発生してきたようだ。以前からその兆候はあった。だから出産前に徹底的に駆除するように私は次男とマリーに提案したのだが、大丈夫掃除機を毎日かけるから、と聞き入れない(当然かけない)。ところが、今になって駆除していなかったノミが繁殖してきたのだ。

首から背中にかけてどっぷり脂肪がついている長男を見てびっくりした

ヒロのオムツを替える時、お腹に赤い点々を見つけたマリーは、ヒロがノミに刺された、死んでしまう、自分のせいだ、甘く考えていた、と大泣きし始めた(実際はノミではなくただの湿疹)。

SF KebobというMediterranean料理のお店に食べに行った

同じ時、Supplemental Property Taxという特別固定資産税の請求書が次男の机の上で見つかった。それは、マンションを新しく買った者だけが払わないといけない固定資産税だ。夫が次男に毎週のように聞いていたのだ。請求書が来てない?と。机の上にあるぐちゃぐちゃのゴミの下に紛れ込んでしまっていたのだ。次男が青くなる。見ると支払い期限日は7月31日だ。

とにもかくにも、ヒロをノミのいるマンションにいさせるわけにはいかない。まずマリーとヒロはサンノゼのマリーの実家に避難、次男と私がサンフランシスコに残って大掃除をする、同時に税金の支払いをしに市役所に行く(オンラインで支払えない)、アイドルとタイタンのノミ駆除薬を獣医で処方してもらう、薬の効果が出たところで二匹をサンノゼの私の家に避難させる、その後ノミ駆除の業者に来てもらう、ノミの卵が孵化する期間を考えて二匹は2週間ぐらいサンノゼにいさせて、もう一度業者に来てもらう、完全にノミが駆除できた時点で次男、マリー、ヒロ、アイドル、タイタンの5人家族がサンフランシスコに戻る、という計画を立てた。

サンフランシスコ市役所

が、業者が使う薬は新生児に危険ではないのか、と心配だ。とにかく次から次へと問題が発生する。
  1. ノミを完璧に駆除する薬はあるのか。
  2. 駆除してくれる業者の使う薬は強力だろうに、新生児がその後その部屋に住んでも大丈夫なのか。いつまで避難しておかないといけないのか。
  3. 税金の支払いが滞ったということは、ペナルティが発生する上、クレジットにも傷がつく。こんなアホな次男に育てたのは私だ。
  4. これで本当の親戚になったわね!と言うマリー母。マリー家族とこれからどうやってうまく付き合っていけばいいのか。それもマリー母からは祖母同士のライバル意識を炎のように感じる。私は身を引いてしまいたい。
  5. 長男は糖尿病を甘く見ているのではないか。糖尿病ボーダーラインと言われながら、どうして全く食習慣を変えようとしないのか。お菓子ばかり食べるのを見てため息が出る。こんなアホな長男に育てたのは私だ。
泣きはらした顔で移動の準備をしているマリーと、業者に次々と電話したり税金の支払いをオンラインですぐできないか、と調べている次男。その二人がちょっとヒロを見ていて、と頼んでくる。私はあまり抱っこをしたくないのだ。とにかく怖い。よく祖父母が子守をしていて事故があった、というニュースがあるではないか(次男に劣らず心配性)。

長男とサキが持ってきてくれた風船で夜中遊んでいた2匹

大丈夫、私が抱っこするから、とマリー母が横から来てヒロを抱きながら『ばあば(というような表現をする)がいるから大丈夫よ。もう大丈夫よ。ばあばの家に来なさいね。ばあばがちゃんとお世話してあげるからね。』と私の横でノンストップでヒロに話しかけるマリー母。

ゆっくりと天が落ちてきた。

いつでも能天気極まるタイタンもサンノゼの家に移動したらストレスいっぱいになるのだろうか
産後鬱にかかるのは私かもしれない。

2017年8月20日日曜日

産後鬱1/2

8月17日、朝5時半にリビングルームを隔てた向こう側にある、マスターベッドルームの次男からテキストメッセージが入る。マリーの陣痛が始まった。2分おきの間隔。

いきなり2分おきか!すぐ病院に電話して行こう、と二人と話している間にまた陣痛がやってくる。この痛がり方は本物の陣痛だとわかる。でも、と次男がためらう。

陣痛のことを調べつくしていた次男が『陣痛は30秒しか続いてない。ネットで調べると、病院に連絡するのは1分半続いた時だと書いてある』と言う。また情報過多で間違った方向に行っている。『すぐ病院に電話しなさ〜い!!!』と私が命令するとやっと電話。

次男がマリーの陣痛を陣痛アプリで管理していた

病院に来てくださいと言われた二人。まずはシャワーを浴びたいというマリーを『そんな悠長なことを言ってる場合か。』と制して病院に駆けつける。子宮口は既に5センチ開いていた。1時間後には8センチになる。

車椅子に乗って待合室に入ったのが6時10分

Epiduralという無痛分娩のための麻酔を打ったのが8時半。その後マリーはすぐ寝始めて、モニターには陣痛の波が刻まれているが目は覚めない。9時半にはドクターが内診。赤ちゃんの頭がしっかりさわれますよ、髪の毛がすごく多いです!ということ。

12時半子宮口が10センチ開きました、いきみ始めてくださいということで私とマリー母は陣痛・分娩室を出た。それから2時間半いきんだ末、ヒロが生まれたのは14時43分。始まりからほぼ10時間近くあとだった。

私が初めてヒロを抱いた瞬間、小さくて怖い!
最近うっかりの多い自分が信用できないので、
あまり抱っこはしないことにした

退院は翌日14時半。血液検査、聴覚検査、視覚検査、授乳指導のあとだった。

白内障などを調べるらしい

3種血液検査

退院までに、マリーがヒロを抱いた姿を見たのが出産後すぐの1度だけで、ずっと暗い顔をしている(もちろん授乳時には抱いていたのだろうが、その時は皆席をはずした)。出産の瞬間からヒロと離れ離れになったのは、Circumicisionという包皮手術の時だけだった。なのに、生まれたばかりの愛しい子供の顔をじっと見ていたい、というような表情もなく暗い顔をしている。

産後すぐの授乳時のマリー

マリー母と夕食を食べに出かけた時、母から『産後鬱』という言葉が出る。やはり同じことを感じたようだ。母自身産後鬱にかかったそうで、原因は何でもあり、ということ。

本当に鬱なんだろうか。

退院翌日の今日8月19日、ヒロの検診で二人はまた病院に連れて行った。3885gあった体重が280g減り、黄疸が出始めているという診断に次男の心配がピークに達しつつある。

マリーを休ませて散歩に出た次男
お昼頃からサンフランシスコは晴れてきたので
10分間太陽の光を浴びさせる

私ももうそろそろ家に帰りたい。でも、もう少し手伝ってあげたい気持ちがある。まずはリビングルームにいる猫が新生児に近寄るのが心配で、寝室にこもっている次男とマリーがリフレッシュのためにランチに出かけた。木曜日早朝以来3日間、二人は猫たちともあまり一緒の時間を過ごしていない。

午後も10分間太陽の光を浴びに行くヒロを
覗き込むタイタン

猫たちは寝室のドアの前で時々中を伺いながら鳴き声をたてる。猫たちもそれなりにストレスを受けているだろう。

その上猫トイレロボットまで壊れてしまった

マリーの大好きなIn-N-Outというレストランでハンバーガーを食べてきま〜す、と二人は嬉々として出かけて行った。猫たちの頭を一撫でして出かけていく次男とマリー。二人を呆然と見送るアイドルとタイタン。

何が起きているのか、誰かおせーて