2013年9月17日火曜日

目の傷

毎週火曜日の朝は10時からわいわい広場が始まる。ホームに行くと今日はわいわいに使われる部屋で検診が行われていた。ということは、いつもの部屋が使えないから2階の廊下であるのだろう。2階の廊下は狭い所に大勢の入居者が集まるから、ものすごく暑くなる。父には暑過ぎるだろう。

毎日1個収穫
でも、7月に比べてものすごく認知症が進んでいる父に、こういうイベントに参加することは大切だ。父は歩行機能も低下して始めてヨチヨチと歩くようになった。自分の足が一番高く上がる、と自慢していたのはつい2ヶ月前だ。どんな状態なのか見てみたい。

ついこの前まで
早足で歩いていたのに
9時45分に3階に上がると父はリビングでうつむいて座っていた。わいわい広場に行こうかと誘ったが、険しい顔で「今日は絶対行かん。暑いのがわかっとるのに、行ったら具合が悪くなる。先週も暑かった。気分が悪いと言ったのに誰も聞いてくれんかった。その後ずっと調子が悪かった。」と取りつく島もない。

アイスノンを持って行こう、薄着をして行こうと誘っても今日は頑固に動かない。自分が体温を調節できない時、スタッフがすぐに自分のために動いてくれないことを責める。こういう父を見るとホッとする。余りに弱々しい父を見るのは、家で面倒みてあげないことへの罪悪感が高まるからだ。憎たらしい父を見るとかえって安心する。

ホームまでの道も
やっと涼しくなってきた
とにかく一人で家にいることが不安な父は、ホームに住んで家族が毎日通うという方法しかない。医療機関、介護施設、家族がお互いにサポートし合っていくしかない、と自分を納得させる。

わいわい広場に行かないのなら、一度家に帰って夕方また出直そうと決めた。なにしろ父が寂しそうに時間を持て余しているのは夕方だ。重症認知症のグループの中で、話す人もいない父はリビングで頭を落としてただただボーッとしている。毎回その姿を見ると胸が痛む。

途中スーパーに寄って鰻を買ったあと、家で本を読んでゆっくりする。そして4時半になったのでまたホームに行くことにした。涼しくなったとはいえまだ最高気温は30度を超す京都は暑い。でも、昨日届いたタニタの万歩計の数字を伸ばしたいのでホームまで歩く。



鰻を黙々と食べる父の横で、また昨日の続きを話すことにした。父は何か食べても「おいしい」と余り言わなくなって来た。何に対しても感動の度合いが低くなって来ているように感じる。しかし今日は食後に楽しみが待っている。母の写真だ。

食べ終わってベットに入って座っている父に、母の写真のコピーを渡した。果たしてコピーを見た父は「こんなコピーでは役に立たない。」と言うのか。

母の写真を見た父は「あったんか。」と呆然と写真を見ている。本物ではない、コピーだと言うと「そうか、コピーか。」と言いながらもじっと見つめている。そして「あったんか。」と繰り返す。どうも写真とコピーの区別も余りついていないようだ。

が、その頃から目の中がゴロゴロする、と言い始めた。何度も洗面台で目を洗う。そのあとティッシュペーパーを濡らして目を拭く。それでも気になるようで何度も何度も洗う。

父は目がおかしい、と言い続ける。このまま父を残して帰宅したくない。目に異物感を持つ父は夜電話してくるかもしれない。スタッフに声をかけた。父が夜、目の事で不安になるかもしれないが、目は大丈夫、明日には眼科医に連れて行くから、と声かけお願いします、と頼んだ。

ティッシュを濡らして
拭いてみる
明日は父が長年なじんでいる眼科医の所に行けるかどうか、ホーム看護師さんと話してみないといけない。そこなら父も安心して検査を受けることができるだろう。


今日の歩数