2013年6月27日木曜日

介護認定

昨日の様子からもう父は大丈夫と感じたので、今日は朝夕2度の訪問は不必要と判断して、お昼からホームに行った。父はリビングルームに座っていた。スタッフが「ご機嫌よくしてはりますよ〜。」と声をかけてくれる。

小学校の下校時間帯だった
隣に座って、佐野さんの所に遊びに行ったかどうか聞いてみる。すると佐野さんは部屋に入ったままなので、2階に行っても会えない、どうしてそんな所に行くことができると思うんか、と不機嫌極まる顔で言う。弱々しい時はかわいそうな父だが、元気が出て来ると今度は憎たらしい瞬間も多い。

この不機嫌さはどうも来週森先生の所に行かないといけない、と憂鬱になっている所から出ているらしい。とにかく先週3度行って疲れてしまったのだ。まあ、今回病気を治してくれた森先生にお礼を言いに行ったら?と言ってみたが、一層険しい顔になる。もうあそこに行くのがどんなにしんどいか。ここの医者に診てもらうことになったんではないか、とそういうことはよく覚えているのである。

深く座れる椅子を買ったのに

むずかしい所だ。父のアルツハイマーの進行経過を熟知しているのは森先生だ。今回の事件があった時も、結局頼ったのは森先生だ。だが、本来ならホームに隔週訪問診察をしてくれる、老年内科のT先生に移行する予定だった。が、今回のことで森先生にはこれからもずっとお願いしたい、と気持ちを新たにしたところだ。でも父にはその負担が大き過ぎるらしい。

森先生からは毎回明快な回答を得ることができる。家族にとっては悩み相談の回答者とも言える。悩んで悩んでどん底の気分で森先生の診察を受けに行くと、先が見えるようになる答えをもらい、明るい未来がどうにか開けて来るのだ。しかし父の頭には森先生と聞くと、待合室で時には3時間以上待ち続けることしか浮かんで来ないのだ。先週の土曜日には初めてのT先生の診察もあった。

森先生とT先生は雰囲気が似ている。57歳の森先生は長身痩躯で知性から出たすごみを伴った魅力がある。一方52歳のT先生はお坊ちゃんがそのまま年を取ったという感じで、こちらも知性が独特な魅力をかもしだしている。その上、二人とも少し長めの髪型なので、父には区別がつかないのだろう。父は先週のT先生の診察時に何度も何度も、ここに来て下るようになったんですか、本当に良かったです、ありがとうございます、と頭を下げていた。ホッとしたのだろう。

とにかく、来週の時点で考えたらいいから、その時元気があれば森先生の所に行くことにしたら?と父に言うと納得した。が、まだ考え込んでいる様子だ。内科医はホームの医者に任せればいいが(今回のことで任せていいのか、という不安はあるが)、心療内科は森先生かT先生のどちらかを選択しないといけない。

ホームが持ち込んでくれたCDプレイヤー
父は古い歌を聴いて楽しんでいる
が、使い方がどうしても覚えられない

考えながら帰りも歩いた。暑いとはいえ、まだ30度ぐらいなので許容範囲の暑さだ。それに道中は木々が多いのでいい散歩になる。父は少しずつ認知症が進んでいる。今回のことで家族はこれからのことがかなり不安になったし、そもそも介護は先が見えないから何かが勃発する度にどん底気分に陥ってしまうのだ。


ため息をつきながら家に着いたら郵便受けに要介護認定結果通知書が入っていた。なんと父の認定は1段階軽度の方向に変化していた。それも3ヶ月の有効期間だ。



ムカつく・・・