2013年6月14日金曜日

眼医者と家電

目が覚めた時気分が暗かった。昨日遂にキッチンの改装を施行してくれる業者と契約したからだ。何故暗かったのか。まずはお金の心配。

そして一番の問題は見せてもらったキャビネットに100%満足できなかったからだ。どうしてもプラスチックに見える。これは大手のDIY店がキッチンデザイン部門として施行している。信頼できる。キッチンデザイナーが昨日の3時に来て、契約が終わった時は夜の8時半だった。

右の白がプラスチックぽい扉
キャビネットは白を頼んだ。サンプルの扉を見せてくれるが、どうしても木の質感がない。プラスチックにしか見えない。しかし正真正銘の木だ。白い色はペンキを塗るのではなく、オーブンの中で焼き付けるそうだ。この前見た小さなお店のピューター色のキャビネットとは全然質感が違う。ピューターの方の写真を大手業者に見せた。ふふん、と鼻で笑う。
小さいお店で見たピューター色の扉

これはチープなペンキが塗ってあるだけです。何度も使っているうちにはげてきます。それに比べて、我が社のはオーブンで焼くんですよ。何年使っても全くはげることはありません。ほら、触って見てください。

触って見た。プラスチックだ。そう言った。

業者は言う。ああ、そういえば同じことを言ったお客さんがいました。キャビネットが届いたあと電話がかかって来て、『こんなプラスチックを頼んだ覚えはない。本物の木を注文したはずだ。』と怒鳴っていました。でもこれは本物の木ですよ、と説明したら納得してくれました、と。

そうか、そんなものなのか、と契約書にサインした。とにかくもう疲れてしまって、これ以上考えるのもいやになってしまった。話を進めて行きたい。でも幸せ感がない。大体選択肢が限られていて、カウンターの御影石も10種類ぐらいしかない。その中から選ばないといけないそうだ。御影石は専門店に行けば50種類はあるはずなのに。それもiPhoneの大きさもないサンプルから選ばないといけない。


カウンターを替える予定はなかった。なのに、調理台とシンクを入れるためには、今キッチンにある御影石を切らないといけない。この御影石はキャビネットに糊でつけてある。はずそうとしただけで、壊れる確率は99%だということ。だから新しく買わないといけない。これも最初には予定していなかった7千㌦の出費だ。調理台はともかくシンクは古いし使いにくい。やはり新しいのを入れたい。

朝目が覚めて、あれで良かったのか、とクヨクヨする。その上朝ご飯を食べているとエアコンの修理業者から電話があった。修理代の見積もりが出ました、485㌦です。食欲一気に↓

気を取り直して眼医者さんに飛蚊症と光視症の再検査に行った。もう一度瞳孔を開く目薬を入れて30分待つ。その間暗い部屋で一人座って待つ。気分はどんどん暗くなる。あんな高い買い物をして満足ではないできだったらどうしよう。暗い部屋のせいか、どんどん気分が落ち込む。

眼底を調べてもらうが前回から変化はない。飛蚊症などの症状が現れてから、最初の30日間は注意しないといけないそうだ。その間に網膜が剥離する危険があるが、30日を過ぎればその危険は殆どなくなるということ。

お医者さんとネックレスや旅行などに関して、ニコニコ会話をしているうちに明るい気分になる。考えてみれば契約というのは、どんなものでも3日間はキャンセルできるはずだ。家に帰って書類を見てみよう、と思っただけでどんどん明るい気持ちになる。口角が上がって来たのが自分でもわかる。

そういえば以前聞いた実験で、こういうものがあった。数十人が映画を見た。半数の人はフォークを上向きに口にくわえて見る。あとの半数は下向きにしてくわえる。映画が終わったあとどんな映画でしたか、と質問された。フォークを上向きにくわえていた人たちの殆どは「楽しい映画でした。」と応えた。下向きの人の殆どは「悲しい映画でした。」と応えた。

つまり気分というのは口角を上げるか下げるかで左右されるという実験だ。それ以来くらい気持ちになったら、無理矢理口角を上げるようにしている。今日のような眼医者さんとの会話のあと口角が上がって、気分が明るくなったのは当然の結果だ。

その後家電店に行って電子レンジ/オーブンのコンビ、冷蔵庫、調理台/オーブン、換気扇を決める。

オーブンつき調理台
どれもこれも最初の予算の2倍から3倍になった。少し暗くなるが、まあこれは仕方ない。何年も使うものなのだから、納得のいくものを選ぼう。家を売る時も良い家電が入っていれば売り値が違う。


オーブンにもなる電子レンジ

換気扇

冷蔵庫

時計を見ると2時半。ランチも食べずに歩き回っていたので疲れた。すぐそばにあるスターバックスでフレパチーノを半分飲んで、マッサージに行った。天国だ。1時間で30㌦。チップを入れて45㌦。1週間に1度マッサージをしてもらいたいとすると、何を諦めてお金を捻出するか。カフェに行くことを諦める?そうだ、エアコン修理が485㌦かかる。これはマッサージ10回分以上か、とマッサージを受けている間中お金のことを考えていた。


さて、家に帰って契約書を見てみた。3日間はキャンセルできると書いてある。それもその説明を受けました、というところにイニシャル(署名に近い効力がある)をしている。5時間半の説明のあと疲れ切って、言われるがままにイニシャルをしたのだ。説明なんか受けていない。とにかく信頼できるお店ではあるので、変なものに署名させられることはない。

思い出した。4時間の話し合いのあと、契約したいと思っていますが、万が一キャンセルするとなったら何日以内にしないといけませんか、と質問した時この業者は怒り始めたのだ。4時間もここで話したりサイズを測ったりしたあと、キャンセルする場合はどうしますか、ですって?もうこれ以上説明するのはやめます、と怒っている。

なんとなく剣幕に押されて契約をしたような気もする。なんだか腹が立って来た。確かに5時間半も時間を使ってくれたのは悪いと思う。しかし元々こちらから頼んだわけではないのだ。昨日ペンキを買いに行った時、お店の女性が近づいて来て「今キッチン改装のキャンペーンをしています。デザイナーがお宅に伺って見積もりを出します。普段なら50㌦ですが、今は無料です。そのあと契約しないといけないという条件など、何もありません。」と言われたのだ。

ちょうどいいかもしれない、となんとなく家に来てもらったのだが、やっぱり100%満足できないのがわかっているキャビネットにお金を払うのはいやだ。明日はこの業者と会う約束になっている。キャンセルすると言ったらまた怒るんだろうなあ。


構うものか。夢を叶えるためにはいくらでも強くなれる。