2017年4月24日月曜日

アナログ人間

明日から4日間日本語クラスの代講をする。昨夜F先生から10時半にメールがあった。M先生が突然今朝日本に発つことになったので代講ができますか、という問い合わせだ。手続きはもうすんでいて、いつでもできる状態ではあったが、やはり緊張する。

ご実家での緊急事のための帰国なので、M先生との引き継ぎもなかなかうまくいかず、明日はいきなり新しいスライドを使っての授業をすることにかなりの不安がある。なにしろ私はアナログ人間なのだ。グーグルドキュメントを使ってチャートを作るのは好きだが、パワーポイントなどを使って授業をしたことがない。白板にマーカーで文字を書く、という方法にしか慣れていない。

M先生からはスライド資料70ページが送られてきた。その内容を見て感心する。今まで自分の教え方に自信がなかった。教科書を使って丁寧に教えている、とは思っていたが、生徒がどこまで理解できているかに関してはいつも不安が残っていた。

M先生のスライドを見ると今までの自分の教え方のまずさがよくわかる。この新しい文法を習得するのはむずかしいだろうな、と思うことが10ページごとに繰り返されている。これなら生徒たちは何度も復習することによって、理解が深まっていくことだろう。

それでもいくつかの資料は明日の授業が始まるまで手に入らないことがわかって、さっきからパニクっている。授業が始まった時点で今クラスでは何が進行しているか、を30秒以内に把握しないといけない。それよりも教室はどこ?すぐわかるのだろうか。無理。無理だ。瞬時に何かを理解することはできない。元々そういう能力に欠けている上、年齢的にもう無理だ。

このところ頭を使う場面というのは、
メニューを見て何にするかということぐらいだったし

と最初っから弱気になっている。教科書、教師用指導書、ワークブックなどを見たり、スライドをもう一度見たりする。が、何から始めるのが一番いいのかわからなくなって、一旦休憩して頭を白紙に戻してから改めて予習しよう、と思っている。

やっぱり印刷したものを見てやっとホッとする

パソコンやiPadでM先生から送られてきたスライドを見ることはできるようになった。でも、教室のスクリーンにちゃんとつなぐことができるのだろうか。それともアナログ教師に付き合ってもらうために、生徒には印刷物を配る方がいいのだろうか。そもそも教室内に大きなスクリーンがあるのだろうか。生徒たちは印刷物を見るより、スクリーンの方がいいのだろうか。

今の若い子たちだ。その方がいいのだろう。

今の若い子

2017年4月19日水曜日

代講の手続き

近いうちにまた日本語のクラスを代講することになるかもしれない。大学のクラスだが近所の高校を使って教える。だから、生徒は高校生と大学生の両方だ。クラスを担当している先生から、もしかしたら代講をお願いするかもしれません、と日本を出る直前メールがあった。先生も介護のために日米往復中なのだ。

今年の京都は桜の開花が遅く、日本を出る前には本当に美しい桜がどこを見ても満開だった。こんなに桜を堪能できたのは初めてのような気がする。

彦根城のお堀に映る桜は圧巻だった

大好きな東本願寺(拝観料がいらないのが主な理由)

4月11日に姉と一緒に関空からサンフランシスコに飛び、曇り空の中を毎日分刻みで動いていたような気がする。なにしろ姉の滞在は11日から15日まで。弾丸旅行だ。だから空港に着いたすぐあとからTrader Joe'sなどのお店を廻り、お土産を買ったり洋服や靴を買ったり、と夕方まで忙しい。

その上毎日3食とも外食。姉をどこに食べに連れて行こうかとそればかり考える。その合間にも税理士に会いに行き、大学で代講の手続きを始める。16日に姉をサンフランシスコ空港に送ったあとは、すぐ車を探し始めないといけない。なにしろリースが切れる車を14日に返却したばかりだが、車がないと大学での手続きも一切できない。

こちらは曇り空が多かった

パンがおいしいお店があると言ってたのにまだ連れて行ってもらってない、タンパク質が足りない、ビーフを食べに行きたい、近所の犬友の飼い主たちにお土産を買いたい、洋服と靴がほしい、という姉が満足して帰れるようにしないと、と一日中焦り続ける。

姉を送って行き車のリースの契約もすんで帰宅したあとは、こんこんと眠り続けてしまった。昨日からやっと活動し始めることができるようになったので、大学内のポリスオフィスに行き指紋採取の書類を発行してもらい、姉妹校である他の大学の保健室で診察を受ける。

大学の保健室の待合室
みなさん、ご存知でしたか?
大学の保健室では避妊具が無料で提供されているのを
(左側の椅子の背もたれ後部にあるブルーの袋)
診察を待っている間に2人の男子生徒が取りに来ていた

アメリカの学校でボランティアや教師をするには、結核に罹患していないことを証明しなければならないのだが、日本人はBCG接種をしているのでツベルクリンで陽性反応が出る。だから、胸部レントゲンを撮る必要もある。一つ一つの場所まで往復30キロから40キロ運転する。

手続きに走り廻り5時間後に帰宅した時、気持ちを巻き戻すためにしたことはこれだった。

やはり

2017年4月6日木曜日

桜が咲き始めた。今年は少し遅いようだが、今週末がピークということ。『桜切るバカ、梅切らぬバカ』と言うらしいが、桜の木は切ってはいけない。なのに、2年ほど前に植木屋さんが切ってしまい、去年はつぼみがつかなかった我が家の庭にある小さな小さな桜の木にも花が咲いた。

手前にある蝋梅は父が北野天満宮で苗を買って
地植えに成功したのだった

出町柳で賀茂川沿いに咲く桜を見ながら、『介護のない春は初めてだなあ。』と考え込んでしまった。

お花見客も多かった一昨日の出町柳

父も母もいなくなってしまった。特に父が逝ってしまってからまだ1年たたない。父のものが少し残っているが、捨てられないものもある。

父はいつもこのリビングの窓際のこの小さな椅子に座って
長い時間外の景色を見ていた

父を最期まで家で介護してあげることはできなかったのだろうか、という思いは決してなくならないだろう。

父は姉を頼りにしていた

父は人格者には程遠い人柄だったが、子供にお金を少しでも遺したい、家も遺したいという人だった。が、その家も維持していくのが大変になり、駅から遠く坂の上でもあるし、姉は駅近に引っ越して新しい人生を始めたいと思っている。

四条烏丸にある大丸デパートすぐ横の築18年のマンションは3000万円
53平米で窓の外は緑が多かったが
近いうちに古い町家が壊され、窓外は全てマンションの壁になりそう

それは自立生活最終章の始まりなのだろう。そして数年後には姉もいなくなり、私もいなくなるのだ。桜を見ているとそんな気持ちになってくる。

御所西側はきれいな桜が多い

紅葉の季節よりも桜の季節の方が外国人観光客が多いそうだ。今年の京都は爆発的に外国人が増えたようだ。電車に乗っていても街を歩いていても外国人が本当に多い。写真を撮る外国人に聞いてみたくなる。

東本願寺周辺の桜がきれいだった
(拝観料がいらないお寺が好みです)

あなたはこの桜を見て『はかなさ』を感じたりするんですか。

少なくとも、スマホから顔をあげて窓の外を見んかい!

2017年3月30日木曜日

マンション探しその後

姉の喪失感がますます大きくなってきているということだ。この前契約30数時間前にキャンセルされたマンション。やはりこのマンションへの未練があまりにも大きくて、胸の中の空疎感が広がりつつあるらしい。代わりのマンションを早く探さないといけない。

今日はオンラインで見つけた御所南にあるマンションを、内覧の前に外から見に行ってみた。御所南というのは文字通り御所の南側で、大体御池通のあたりまでの地域を言う。古い家が多い中マンションもかなりある。このマンションは買い逃したマンションに比べると外観はイマイチ。訴えてくるものがない。

これは御所南よりもっと南の地域、三条通にあるレストラン
この通りは最近おしゃれなお店が増えてきた

夕方は仕事を終えた姉が一人で岡崎のマンションを内覧した。ここの仲介業者はおもしろい人だったらしく、姉にこう言ったそうだ。

『ここ(マンション)は高過ぎます。まず窓の外を見てください。観光バスがいっぱい見えるでしょ?これからもっともっと増えます。うるさいですよ。それに疎水がありますね。疎水は夏臭います。蚊もいます。隣の駐車場にはいずれマンションが建つでしょうから、日当たりがさえぎられます。それにここは花折断層の上にあり地震が起きますよ。なのにこの金額を払ってはいけません。女一人の老後を考えるなら、こんなお金使ってはいけません。』

岡崎公園のスタバ
この地域は最近地価が高騰中

ということで、老後の心配まで一緒にしてくれたらしい。外から見てきた御所南のマンションは、『少しチープな作りで価値がないと思いますよ。御所南というのは小学校が平成11年にNHKで紹介されて以来、大人気になり値段がつり上がったんです。』ということ。岡崎も今は地価が高騰している。『数年後には下がります。それまで待ったらどうですか。』

姉がこの前買い逃した聖護院のマンションの話をすると、『それは買いです。』ということ。契約直前でキャンセルになった、と言うと驚いたおっちゃん。1時間以上身の上相談みたいな話をして姉は嬉しそうに帰ってきた。まあ、このおっちゃんの言うことは個人的な見解だし、必ずしも全てが事実ではないかもしれないが、プロの意見を聞くのもなかなかおもしろい。

とにかく、老後のためのお金をマンションに費やしたり、大きなローンを抱えてしまってはいけないだろう。数年後には老人ホームも探すことになるのかもしれない。かといって、今まで親のことばかり世話をして自分のお城を持つことがなかったのだから、マンションから歩いてカフェに行ったり、アプと御所や岡崎を散歩する生活もしたい、という姉の気持ちはわかる。

それにすさまじい量の荷物を持つ姉のこと。まずは小さなマンションに住み替えて、物を捨てないといけない状況になるのもいいことだとは思う。しばらくマンション熱は続きそうだ。

実家では父のコレクションだったカメラの行く末をどうするべきか、と考えている。少しだけ息子たちが引き継いだが、まだまだたくさんある。このカメラやレンズに価値はないだろう。

こういうコレクションは本当に困る

とにかくコレクションというものは始めるとあとが大変、捨てられないのだから、と知っ
ていた私は何も集めていない。だから、そのことだけは良かったといつも思う。

私の唯一のコレクション、お手拭き
どんどん増えてきたけど、誰にも迷惑かけないし

2017年3月26日日曜日

終の住処

姉のマンション契約が成立しなかったことはかなりショックだった。実際姉は今後どこに住むことになるのだろうか。

実家は崖地に建っているので災害の増えた今不安がある。数年前にジャッキアップ工事をして、それに付随する修理もあり合計800万円近くかかった。これは本当に予想外の出費だった。

バブルの時に建てられた家を、当初の半額で買った父。その家はその後価値が下がり続け、今2千万円でも売れないかもしれない。つまり修理費を差し引くと1千万円ぐらいしか残らないわけだ。もしかしたらそれよりも少ないかもしれない。これは大きな誤算だった。

姉はこの家に一生住めると思っていた。それなら預金と少しだが年金で生活していける。だが、駅から12分、それも坂の上にある大きな家。この家を維持していくのは大変そうだ、と年を取って感じるようになったようだ。私にもその気持ちはわかる。

数年前からマンションに移るか、このまま家に住み続けるかと迷い続けている。高野にマンションを買い、入居することもなく1年後に売った。その後御所南に探したり四条や御池近辺でも古いマンションを見学したが京都の地価は上昇し続けていて、予算の中では気に入った物件がない。

四条烏丸の大丸横にできたマンション
これは高齢者用のサービス付きマンションらしい
一番小さい部屋は25平米
月額15.5万(共益費込み)
状況把握・生活相談、食事の提供が月額10.8万円
60歳以上の高齢者!!用だそうです
場所を考えると画期的な住居と言える

そんな時にやっと見つけたマンションも契約30数時間前にキャンセルされてしまった。

姉は京都にある大学の職員として40年以上勤めた。左京区にある大きな大学のキャンパスは自分の故郷のようなものだ、だから故郷である大学のそばで買いたいと言う。それを聞いて涙が出た。

介護でいっぱいいっぱいだったのに、長い間勤めてやっとリタイヤする姉。そんな姉には職場が故郷だったのか。それなら大学のそばでどうにか気に入ったマンションを買わせてあげたい。

来週見学予定のマンションは岡崎の疎水前にある

思う存分リラックスして幸せな気分に浸れるようなマンションを、どうにか今年中に見つけてほしいと思っている。

保護猫のアイドルやタイタンがやっと見つけた
終の住処のようなところをね

2017年3月19日日曜日

失望

今朝目が覚めた時、大きな失望感が襲ってきた。

東京での生活が終わり京都に帰る。今日は姉が買いたいマンションの契約日だ。

が、契約が結ばれることはなかった。

姉はここ数年マンションを買いたいと探していた。京都はこのところマンション価格が高騰し、ほしいと思う物件には手が届かなかった。ところが2週間前突然望み通りの物件が現れた。姉が送ってきたリンクでこのマンションを見た途端、これはGOサインだな、と思った。

岡崎公園と御所の間にあり駅からは徒歩5分。鴨川からも5分。1階にある物件だが駐車場がついている。そんな物件は滅多に出ない。だから姉は翌日このマンションを買いたいという意思を伝え、契約日が今日のはずだった。

マンションすぐそばの鴨川

1階の住人には駐車場がついていた

全体的な雰囲気が良かったし、ペットの飼育も可

が、売り主が一昨日の夕方『売るのをやめる』ことにした。親が急遽入居することになった、というのが理由だ。理由はなんであれ突然の一本の電話でキャンセルされた姉の失望が想像できるだろうか。

姉は先週末アプを連れて鴨川沿いを散歩したり、御所を散歩、という予行演習をしたのだ。週末は岡崎公園近辺のカフェで朝食、その後アプとお散歩、平日も職場から近いのでお昼休みはアプの様子を見に帰ることもできる。そんな日々を夢見ながら銀行の定期を崩し、家の整理を始めていた。マンションの引き渡しはゴールデンウィークの直前のはずだったのだ。

そんな姉がどんなに失望したかを想像するとかわいそうでたまらなかった、と伝えると、姉からの応えは意外なものだった。

今までもいつもそんな人生だった。だからある程度予想はしていた。自分がほしいものが手に入った試しがない。だからマンションがスムーズに手に入ったとしたら、そちらの方がおかしいのかもしれない。

自分にはほしいものがいつも手に入らない人生だと思っていたのか。今回のことだけではなく、子供の頃からそう感じていたのか。私が民泊に滞在しながら能天気に東京を歩いたり食べまくっていた時、姉がそんな気持ちでいたのかと思うと申し訳ない気持ちになる。

最後の4日間は飯田橋に滞在したが、
毎日文京シビックセンターに富士山を見に行った(でも見えなかった)

とはいえ、東京での2週間が終わった、というがっかり感もある。寂しいと感じることもあったし、湯舟にゆっくり入りたいなあとも思ったし、色々と不便もあった。が、やはり今振り返ってみるとなかなか楽しい経験をしたなと思う。

この民泊は広い上、ダイニングテーブルがあった
4人までが泊まれるということ

ずっとお料理もせず買ったものばかり食べていたので、今日は久しぶりにはいたジーンズのきつさにショックを受けたが。

こんな夕食が多かった

近所には大好きなおむすび権米衛も

民泊滞在経験をどう表現すればいいだろうか。

体重増えた
金減った

2017年3月16日木曜日

もんじゃ焼き

今日の東京のお天気のすばらしいこと。今年の3月の東京は平年より寒いらしい。昨日なんかすさまじかった。茅ヶ崎から会いに来てくれる友人と世界貿易センタービルの展望台で景色を眺めて、その後もんじゃ焼きを月島に食べに行くという予定だったがあいにくの曇り空。それはいいとして、寒さが半端じゃない。

最高気温が7度の昨日。9時までに2週間滞在した江戸川橋の民泊をチェックアウトしないといけないので、6時半に起きて掃除する。

民泊の大変なところは最後に掃除して出ないといけないこと
安い分仕方ないが

そのあと、スーツケースを京都に送り、キャリーを新しい民泊のある飯田橋のコインロッカーに預けて、総武線で御茶ノ水に行き、中央線に乗り換えて東京駅グランスタにある銀の鈴の前で待ち合わせて、と朝食の時間もない。

コインロッカー代700円に悩んだ

景色が見えそうにない展望台はキャンセルして、グランスタでの朝食のあと月島に移動する。友人が調べてくれていた月島で一番おいしいと評判のもんじゃ焼き『蔵』に行くと、2グループがお店の前で順番待ちをしている。ならすぐ私たちの順番も来るだろうと思ったのが間違いだった。

あのですね、もんじゃ焼きというのはですね、鉄板の上で一枚しか焼けないわけですよ。つまり、4人のグループで入っていると1枚焼いて4人で食べる、次の1枚を焼いて・・・となるんで長時間かかるわけですね。そんなことに考えが及ばず軽い気持ちで待ち始めたが、実際にお店に入れたのは1時間後。

でもおいしかった〜

寒風吹きすさぶ中、マジで心臓麻痺を起こすかと思った。友人も寒そうにしているが、私ほど切羽詰まった感じもない。最初は椅子に座って待っていたが、座っていられないほどの寒さで、私はその辺中を歩き回る。友人は『結構寒いね〜。』とニコニコ笑っている。私より1歳年上の友人のこの余裕は筋肉量の違いから来るらしい。

今日の東京は快晴で暖かい

太極拳、テニス、ヨガ、ジムなどなどアクティブな人なのである。危機感を覚えて『これからはシステマチックな運動をするぞ。まず筋肉をつけるぞ。』と心の中で唱えながら(友人にも宣言した)民泊に帰る。

なのに、朝起きるとまたPAULの朝食に行きたくなる。

クロワッサンとカフェクレームの朝食

グルテンが身体に良くない、と偉そうに友人に演説したあとなのに。

そしてつい買ってしまったランチ用のサンドイッチとパイが
今日の私の行動を縛る